【およそ3センチ角の日記】20160806 うみ

kicell

今年はやけに海に行くなあ、私。
ということで葉山の一色海岸へ行ってきました。

電車とバスに揺られ、美術館に行ってから夜はライブ、という贅沢コースを組んでいたのですが、せっかくだから海の家にでも行こうかと海岸に寄ったら、真夏の海の熱気と活気と高気圧はヴィーナスたちの交差点に圧倒され、結局いそいそと「神奈川県立近代美術館」に逃げ込む。

そこでやっていたのは「クエイ兄弟ーファントム・ミュージアム」の展示。私は全然知らなかったのですが、クエイ兄弟は、東欧のポスターデザインやアートアニメーションに魅せられたアメリカ人の双子の兄弟。長編映画やアニメーション作品のダイジェスト上映を中心に、人形アニメの舞台となったセットを再構築してそれ自体を作品にした「デコール」や、ミュージックビデオやCMなども多い映像、舞台デザインや演出にまで派生した幅広い仕事ぶりが展示されていた。
ヤン・シュヴァンクマイエルのドキュメンタリー映画の中の一部映像も手がけていたり制作に関わっていたよう。ポーランドやチェコの楽曲や小説などをもとにした映像作品も多かった。冷戦の時代に、アメリカ人が東欧の作品に触れる機会はかなり限られていただろうし、そこに傾倒していく彼らへ周囲の冷たい目もあったんじゃないかなあと想像する。しかしダイジェストだったこともあり、映像作品は、私にはさっぱりわからないものばかりでした。笑
それでも精巧なつくりのデコールはまじまじと見てしまったし、バレエの演出をした映像もとても見入ってしまった。

そしてクエイ兄弟を見た夜にはキセル兄弟へ。キセルは双子じゃありませんが、兄弟のバンド。
この日は「Blue Moon」という、昼は海の家、夜はライブもやってるよ、という感じのお店でライブ。初めて行きましたが、本当に海の家なもので。バックにはざざーんという波の音を聞き、潮風を浴びながら音楽を聴く感じ。うーん気持ちよいったら。
野坂昭如「サメに食われた娘」のカバーが印象的だった。海が聴くと臨場感がありますね。笑
しかし通常のライブハウスとは違い、海の家らしく色んな方々がいたため、目にはうるさい光景を遮断するために目をつぶって楽しみました。

ライブの途中で、一緒に行っていた友達が、「すごい綺麗だよ、見てみて」と海の方をさしたら、本当に綺麗な月が出ていた。
帰りには曇って月が見えなくなっていたので、教えてもらわなかったら、気がつかなかった景色だなあ。